不特定多数の人々が出入りする公共の施設において屋内喫煙が原則禁止となる改正健康増進法が2020年4月に全面施行される。これによって飲食店やオフィス、医療機関などで喫煙ができなくなるわけだが、とりわけ大打撃を受けるといわれているのがパチンコ店だ。
条件を満たせば、加熱式タバコの喫煙が可能なエリアや喫煙室を設けることはできるが、事実上、紙巻きタバコを吸いながらのパチンコはできなくなる。
JTが発表したデータによると、2018年における日本国内の喫煙者率は17.9%(男性27.8%、女性8.7%)だが、パチンコ・パチスロユーザーに限ると、それ以上の数値になるといわれている。パチンコに詳しいフリーライターの藤井夏樹氏はこう話す。
「正確なデータではありませんが、パチンコ・パチスロユーザーの半分以上が喫煙者であると言われています。禁煙コーナーや禁煙フロアーを設けるパチンコ店もありますが、それも少数派。基本的に喫煙OKな店がほとんど。また、禁煙コーナーがあっても、人気機種は喫煙コーナーの方に設置されることが多く、非喫煙者でも喫煙コーナーを選ぶというケースも多い。いずれにしろ、喫煙者のユーザーが多いのは事実で、来年4月以降にパチンコ店が禁煙化すれば、客足が減る可能性は高いでしょう」
喫煙者であるパチンコファンのAさん(40代男性、会社員)は、「タバコが吸えないのであれば、パチンコ店に行く機会は少なくなるだろう」と話す。
「私はよく会社帰りに自宅の最寄駅にあるパチンコ店に行くんですが、タバコを吸うという目的もあるんですよね。基本的には仕事中はまったく吸えなくて、ずっと我慢。やっとのことでタバコが吸えるのがパチンコ店なんです。すでに飲食店では禁煙のお店も多いので、パチンコ店は貴重なタバコスポットでした。タバコが吸えないのであれば、家まで直帰することになりますね」