投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月18日~11月22日の動きを振り返りつつ、11月25日~11月29日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースでは2週連続での下げとなった。
米中貿易協議の進展を示唆する米政府関係者の発言と10月小売売上高の予想上振れを好感し15日のNYダウは急反発、史上初めて28000ドル台で大引けた。週明け18日の日経平均は、小幅高で寄り付いた後、マイナスへ転じる場面があるなど、NY株高は限定的だった。しかし、香港ハンセン指数の上昇を受けて日経平均は続伸した。売買代金が3週間ぶりに2兆円割れとなるなか、スマートフォンゲームの好調が好感されたコロプラ<3668>の上昇が話題となった。
19日の日経平均は3日ぶり反落し、終日マイナスゾーンで推移した。NYダウは続伸で最高値を更新したものの、米メディアが米中貿易協議を巡り「中国側は悲観的なムード」などと報じ、先行き不透明感から円相場が1ドル=108円台半ばまでの円高となったことが嫌気された。
19日のNYダウは複数の主要小売企業の決算が嫌気されて3営業日ぶりに反落し、20日の日経平均も続落した。朝方にかけて米議会上院が「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決し、米中対立が激化するとの懸念が浮上し、香港ハンセン指数の下げもあって、日経平均は一時23086.12円まで下げる場面があった。ただ、後場は10月9日以来となる日銀によるETF(上場投資信託)買いがあり下げ幅を縮小した。
20日の米国市場は、米中通商協議が年内に第一段階の合意もできない可能性が報じられて売りが先行し、NYダウは続落した。この流れを嫌気して、21日の日経平均は3日続落となった。11月1日以来となる約2週間半ぶりに節目の23000円を一時割り込んだ。トランプ米大統領が香港人権法案に署名する見通しが報じられ、米中対立懸念の高まりが警戒されて前場の日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。しかし、中国の劉鶴副首相が米中第一段階合意に前向きな発言をしたことが伝わったことで、後場にかけて下げ幅を縮小する展開となり、日経平均は終値で23000円をキープした。2日連続で日銀のETF買いがあったことも下支えとなった。