投資

【日本株週間見通し】米中通商協議に不透明感も日経平均は反発を試すか

 米中協議の難航が懸念された21日のNYダウは3日続落となった。これを受けて22日の日経平均は軟調な寄り付きだったが、直近3日間で400円近く下げていたことから押し目買いが強まり4日ぶりに反発した。後場は週末とあって模様眺めムードから伸び悩み、日経平均は74.30円高の23112.88円で大引けた。物色的には、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が日本企業からの部品調達額を拡大する見通しを示したことで電子部品関連に関心が向かったことが特徴となった。

 今週の日経平均は23000円を挟んだ往来相場が想定されるなか、3週間ぶりの反発を試す展開になりそうだ。年内に第一段階の合意という米中通商協議に不透明感が台頭してきたが、中国の劉鶴副首相がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に対して、協議のために月内に訪中するよう招請したことが伝えられて、過度な警戒感は後退している。いずれにせよ、NYダウ、日経平均ともに米中貿易協議と香港情勢のニュースフローに振り回される展開は続きそうだ。

 また、25日の10月シカゴ連銀全米活動指数を皮切りに12月第1週(2-6日)まで、米国で各種経済指標の発表が集中する。その内容に神経質な展開を強いられることが見込まれる。感謝祭のため28日に米国市場が休場となることから、週後半は手控えムードも強まりやすい。

 ただ、21日現在の東証1部騰落レシオが116.69%と直近ピークだった12日の142.34%から低下して割高感が後退する一方、日経平均23000円割れ局面では押し目買い意欲の強さも確認できている。全般は先物主導のインデックス売買の影響の強さが継続しそうだが、需給的には市場推定で約4兆3000億円規模とされる3月期決算企業の9月中間配当金の再投資が12月中旬まで期待されて、相場の下支えとして働いてくる。

 相対的にバリュー株(割安株)のパフォーマンスが良好な理由の一つともなっている。2000年以降、11月最終週と12月第1週の日経平均は上昇確率が高いというジンクスもある。

 物色的には半導体関連などハイテク株に利益確定売りが先行する中で。相対的に出遅れていた医薬・食品のディフェンシブ株や資源・エネルギー関連株に買いの輪が広がってくるかが焦点となる。また、米ブラックフライデーに絡んだニュースも株価を刺激しそうで、消費関連、ネットショッピング関連銘柄にも関心が向かいそうだ。

 主な国内経済関連スケジュールとして、26日は10月企業向けサービス価格指数、28日は10月商業動態統計、29日は10月失業率・有効求人倍率、10月鉱工業生産、11月消費動向調査が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールとして、25日は米10月シカゴ連銀全米活動指数、26日は米9月FHFA住宅価格指数、米9月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米10月新築住宅販売件数、米11月CB消費者信頼感指数、27日は米7-9月期GDP改定値、米10月耐久財受注、米10月個人所得・個人支出、米10月中古住宅販売仮契約、ベージュブック、28日は感謝祭で米国市場休場、29日はEU10月失業率、30日は中国11月製造業PMIが予定されている。このほか、29日は米ブラックフライデーとなる。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。