中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

令和に残る昭和の慣行 お酌、はんこ文化…は今も必要か?

「サインでいいんじゃねーの?」と思うも「それがルールとなっています」と言われてしまい、棚の奥から印鑑を出すわけですよ。そしてカバンに入れておくのですが、これは本来は銀行に登録した印鑑のため、なくすわけにはいかない。しかし、印鑑なんて一度押してしまえばその存在を忘れ、棚に戻すことを怠ってしまう。かくして本当に必要な時に「あれ、どこいった?」なんて慌てることになり、「そういえば……」とカバンをあさり、ようやく見つけられる。

 だったら安い印鑑を買っておいてそれをカバンに常備しておけばいいんじゃないの? という考えもあるでしょうが、昔それをやっていたら印鑑がいつの間にかどんどん増えてしまい、結局どれが銀行の印鑑なんだか分からなくなってしまった、なんてこともありました。最近、佐川急便の荷物を受け取った場合は携帯端末にサインをしますが、ああいうのを導入すればいいのに。

 ところで先日、国会議事堂の見学に行ったのですが、案内してくれた議員秘書の女性が、設計や使われた大理石がいかに素晴らしく、日本の叡智を結集させた施設なのかを自信タップリに解説してくれました。しかし、そんな彼女が唯一「無駄なものがあるのよ」と言ったのが、本会議場の「速記席」です。大変な仕事なだけに、5分ごとに速記者は替わるといいますが、彼女は「もうね、令和の時代なんだから速記なんて必要ないわよね。いくらでも映像も音声も残るし、あそこの速記席でやる必要もないじゃない」と言いました。

「はんこ」の場合は何らかの利権の存在も感じますが、誰もが無駄だと思っているにもかかわらず、終わらないものは少なくありません。皆さんが「こんなものいらない!」と思う昭和の遺物は何がありますか?

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