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PTA活動の実態、子供のためという大義名分で無償労働を強制

PTAに率先して参加する保護者もいるが…(イメージ)

PTAに率先して参加する保護者もいるが…(イメージ)

 毎年、この季節になると翌年4月からのPTA次期役員候補へのアプローチが始まる。長らく「全員入会」が当たり前とされたが、近年はなり手不足が目立つ。深刻なのはトップである会長職の人材難だ。

「昔は地域の有力者が競って手を挙げた名誉職ですが、いまはなり手がいません。最近は、同居する祖父母を保護者とみなし、PTA会長に推薦する動きもみられます」(前出・PTA経験者)

 2年前に小学校のPTA会長を引き受けた都内在住の男性(55)が振り返る。

「どうせ閑職だとタカをくくっていたら週1でミーティングがあり、地域の会合や区内の会長会にも呼び出され本当に忙しかった。

 しかも校長から、『〇〇さんの子供がいじめの加害者みたいなので様子を探ってくれ』といった“密命”を受けるケースもあり、神経をすり減らしました。研修会名目の飲み会にも自腹で出る必要があるし、金銭的にも持ち出しが多かった」

 会長以外の役員も、多くの犠牲を強いられる割には細々とした仕事が多い。

「最も困るのは自分の子供に構っていられないくらい、様々なイベントに駆り出されることです。PTA会報を作成するときは『子供』を『子ども』と表記するなどの細かいチェックが入り、『文章がなってない』と何度も書き直しさせられるし、空き缶回収のリサイクルでは地元のホームレスと鉢合わせしてトラブルになりました。地元の名士が懇意にする教育評論家の講演会を開催した際は、誰も来ないから近所の親戚をサクラとして動員させられました」(PTA役員経験のある女性)

『PTA不要論』の著者でノンフィクションライターの黒川祥子氏は、「PTAは所詮、学校、地域のお手伝いさんなんです」と指摘する。

「学校行事やパトロール、町内会や青少年育成協議会のお手伝いがほとんどで、有給休暇で参加して来賓にお茶出しをすることもある。“子供のため”という大義名分のもと、無償労働を強いられるのがPTA活動の実態です」(黒川氏)

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