繰り下げ受給は、「基礎年金だけ」「厚生年金だけ」「全部繰り下げ」の3つのパターンから選択できる。これを利用すれば、「収入一定」となる年金受給計画を立てることが可能だ。
たとえば、65歳からは月給20万円で再就職したケースなら、基礎年金を65歳から受給し、「厚生年金だけ75歳繰り下げ」を選んでみよう。
月額16万円のモデル年金(基礎年金6万円+厚生年金10万円)で計算すれば、各年代の収入はこうなる。
【65~74歳】月給20万円+基礎年金6万円(合計26万円)
【75歳以降】基礎年金6万円+割増厚生年金18.4万円(合計24.4万円)
と、収入がほぼ同じ金額だ。65歳以降の給料がもっと少ないケースでは、厚生年金(報酬比例部分)を65歳から受給し、「基礎年金だけ繰り下げ」を選ぶことで各年代の収入差を小さくできる。
【65~74歳】月給15万円+厚生年金10万円(合計25万円)
【75歳以降】厚生年金10万円+割増基礎年金11万円(合計21万円)
ちなみに、こうした受給方法の選択ができるのは繰り下げだけで、繰り上げ受給は、原則、基礎年金と厚生年金を同時に繰り上げしなければならない。
※週刊ポスト2019年12月13日号