なぜ終活が必要なのかを実感するためにも、もっと身近な“終活3項”から始めることをおすすめしています。
【1】家の中の危険を点検・排除
生前整理の前に。高齢者のけがや事故の多くは家の中での発生。それがもとで寝たきりになることもあります。たくさんの物を捨てて整理することもいずれ必要ですが、まずけがをしない暮らしの意識を持つことが終活の第一歩。動線をふさぐ物を片づけましょう。
【2】財産の把握
わからないと無駄も不安も増えます。貯金通帳、カード類などをすべて並べ、管理しきれる数に減らしましょう。これは服や物にもいえますが、把握するだけでも整理のスイッチが入り、楽に減らせます。相続を考える時もスムーズ。
【3】定期的な健康診断
死ぬまで元気で人生を楽しむことが終活最大の目的です。病気にならないよう重症にならないよう、かかりつけ医と手を携えて健康管理を」
思いを形にして伝えるエンディングノート
何からどう考えたらいいかがわかりにくい終活で、便利なツールとなるのがエンディングノートだ。終活カウンセラー協会でも終活ノート『マイ・ウェイ』を発行している。
「先述の介護・病気の告知や延命治療についての意思表示、相続にかかわる財産のリスト、葬儀や墓の希望、手配など、必要な項目がわかり、書いておくことで、家族などにもスムーズに伝えられます。そのほか人生の出来事を振り返る項目、家族への思い、これからの展望を書く項目も盛り込んでいます」
目の前だけを見て邁進してきた現役時代とは視点を変え、人生の終焉を見据えて、どう自分らしく生きるかを、新たに考えるのが終活なのだ。
「これからの未来を描くためにも、今までの人生を振り返り、今の状況をしっかり整理することが必要なのです」