新人王
今季入団したIPO(新規公開)株の中で、上場初値から最も上昇した銘柄を「新人王」とした(11月末時点)。
投資家向けメディア「IPOジャパン」編集長で、日本ビジネスイノベーション代表の西堀敬氏の協力のもと、新規公開株の上昇率を算出すると、最も上昇率が高かったのは3月に上場したカオナビ(マザーズ・4435)だった。
「初値3970円から11月末に8310円まで上昇しました」(西堀氏)
他にも、大きな上昇を見せたIPO銘柄には、カードゲームなどのエンタメ事業を手がけ、7月に上場したブシロード(マザーズ・7803)や、3月上場の警備事業会社・共栄セキュリティーサービス(ジャスダック・7058)などがあり、今年も熾烈な新人王争いが展開された。
MVP
最後に、東証1部市場で総合的に貢献度の大きかった「MVP」銘柄を、専門家が各々の視点で選出する。
前出・植木氏が選んだのは、半導体関連事業のレーザーテック(東証1部・6920)だ。
「半導体マスク欠陥検査装置などの特殊な装置を主力事業とし、圧倒的な世界シェアを誇る。株価は相場全体の乱高下も意に介さず、年初の2523円から右肩上がりで4倍近く値上がりしています。今後も株価上昇の期待が大いに持てます」
マーケットバンク代表・岡山憲史氏も半導体関連からMVPを挙げる。
「半導体テスター大手のアドバンテスト(東証1部・6857)は、時価総額が1兆円を超える大型株で、本来は大きな値動きは望みにくい。にもかかわらず、年初来安値から年初来高値まで約3倍も上昇しました。秋以降に日経平均を上昇させた立役者といえます」
※週刊ポスト2019年12月20・27日号