労働経済ジャーナリストの小林美希さんは、その心情を慮る。
「家事や育児をこなそうとして、ノイローゼになる人は多い。子育ての悩みや介護疲れなど、頼りになるはずの夫が長時間労働でかまえず、ひとりで抱え込んでしまう。その結果うつになったり、引きこもりになったりして社会復帰できなくなってしまう」
中高年の引きこもりは、全国に61万人いるという。そのうち女性は14万人とされているが、氷山の一角だという。
「主婦は家事を行っているため、引きこもりにはカウントされないのです。実際には、さまざまな事情を抱えた主婦の引きこもりは、もっと大勢いると考えていいでしょう」(小林さん)
貧困専業主婦の実態は、「夫の収入で生活が約束された恵まれた人たち」といわゆる世間の専業主婦のイメージにはそぐわない。その多くは、追いつめられ、専業主婦でいることを余儀なくされているに過ぎないのだ。
※女性セブン2020年1月1日号