一見、貯蓄型が魅力的に見えるだろう。だが、こんなシミュレーションをしてみたら、どちらがお得かが、はっきりと浮かび上がってくる。先ほどの貯蓄型と掛け捨ての毎月の保険料の差額(3万1000円)を、「iDeCo」(個人型確定拠出年金)で運用してみたとする。
iDeCoの運用利回りを、リスクを抑えて1%と仮定した場合、20年後の最終積立額は約823万円。これに加え、約149万円の税金が戻ってくるため、貯蓄型保険の解約払戻金の増分をはるかに上回る。もしお金を増やしたいならほかの運用方法でやって、保険は掛け捨てを選ぶのが正解と言えるだろう。
そもそも生命保険は万が一の大きな経済リスクに備えるもの。子供が独立した夫婦2人だけの世帯なら、ある程度の蓄えがあれば保険は必要ない。先ほどの事例は、「40才女性の死亡保険1000万円」だった。確かに、小学生から大学生までの子供がいるならそれぐらい必要かもしれない。しかし、彼女が70才や80才になった時に、残された家族にとって1000万円もの保険金が必要だろうか。
「掛け捨てならいつでもやめられて、子供が巣立ったら保険金額を減らしたり、逆に子供が増えたら保険金額を増やすこともできる。ライフステージに応じて、簡単に見直せるのです」
掛け捨ての保険のなかでも、さらにお得なのが、特定の地域に住む人を対象とした「都道府県民共済」だ。
「都道府県民共済の死亡保障が付いた『総合保障2型』の月額保険料(掛け金)は2000円と手頃です。また、集めて余った保険料は『割戻金』として加入者に還元されるため、民間の保険より確実に良心的です。
そのほか、死亡保険金を給料のように分割で受け取る『収入保障保険』もおすすめです。契約後年数が経過するごとに保険金が下がっていく仕組みで、必要な時に必要な分だけ保険を掛けられ、保険料も安く抑えられます」
保険に縛られず、自らコントロールすることが大切だ。
※女性セブン2020年1月1日号