電気代がかかる冬がやってきた。こまめに電気を消したり、暖房の設定温度を調整する方法もあるが、一気に電気代を抑えられる方法がある。電力会社を変えてしまうことだ。
2016年4月、電力の小売全面自由化がスタートした。当初は従来の電力会社である「大手電力」も、新規参入した「新電力」も手探りだったが、3年以上が経ち、消費者のニーズに合ったサービスやプランを充実させている。エネルギー自由化を推進するRAUL代表の江田健二さんが話す。
「全世帯で8割が電力会社を変えていないとされます。引っ越しや家の建て替えなどのチャンスがない限り、検討するきっかけがないことが原因だと思われます。たしかに、自由化以前は、各地域を独占する電力会社10社しかなく、北海道に住む人なら北海道電力、東京の人は東京電力など、選択の余地がありませんでした。
しかし、新電力は基本的に、法律で定められた既存10社の電気代である『規制料金』よりも安くなることを大前提に電気代を設定しているので、乗り換えによって大幅に安くなる可能性が高いでしょう」
4年以上前から電力会社を変えておらず、検針票の「従量電灯」の欄にA、B、Cのいずれかが書いてあれば、あなたの家の電気代は「規制料金」だ。電気をまったく使っていなくても電気代(基本料金)がかかり、そこに使った分(従量料金)が加算される。では、どのように見直せば電気代が安くなるだろうか。
「まずは、電力会社は同じでも、契約アンペア数(容量)を下げれば、電気代をカットできます。電化製品の省エネ化が進んでいる現代は、戸建ての4人家族でも30Aで充分な場合がほとんど。しかし、いまだに50Aで契約している世帯も多い。東京電力の場合、契約を10A落とすごとに毎月約280円も得します」(江田さん、以下「」内同)