2019年、『マネーポストWEB』では、投資・経済・ビジネス・暮らしのマネーなど、数多くのジャンルの記事を紹介し続けてきました。その中から編集部が、ネットで反響の大きかった記事を中心に、2019年の話題記事10を厳選ランキングしました。以下、解説していきましょう。
【1位】
■働く女性の声を受け「無職の専業主婦」の年金半額案も検討される(5月)
今年は「老後資金2000万円不足」問題も話題になるなど、年金の制度不安があらためて顕在化した年でした。そうした中で、現在検討されている年金改革案について紹介した『週刊ポスト』の記事です。
現状、配偶者の厚生年金に加入し、年金保険料を支払わずに基礎年金をもらうことができる「第3号被保険者」の専業主婦(主夫)は約870万人に上ります。そうした“優遇”に働く女性たちから不満の声が出ていると、政府・厚労省が「第3号の廃止案」や「基礎年金を半額だけ支給する案」を検討していることを紹介しました。
この記事を受けて、ネット上では「#働く女性の声」というハッシュタグが生まれるなど、大きな反響を呼びました。他媒体の中には、厚労省に問い合わせて「そうした議論はない」という言い分をそのまま報じた記事もありましたが、厚労省の年金部会の議事録を見れば、それが事実なのは明らかです(詳細は別記事〈「専業主婦の年金半額案」 働く女性との分断はかる厚労省の思惑〉参照)。
年金財政を維持するために、働く女性と専業主婦の分断をはかる政府・厚労省の方針に、怒りを感じた読者は多かったようです。
【2位】
■高嶋政宏の後悔 介護保険の存在知らず母はマンションを売却した(8月)
俳優・高嶋政宏さんが、6月に亡くなった父・高島忠夫さんの介護や相続について『女性セブン』の取材に答えてくれました。
別記事〈高嶋政宏、両親の土地200分の1「いわくつきの生前贈与」を明かす〉では両親の土地の200分の1が政宏さんの名義に変更(生前贈与)された背景についても語ってくれましたが、読者にとって衝撃だったのは知られざる高島ファミリーの介護の実態ではないでしょうか。
介護が必要になると、介護保険制度を活用することで様々な介護サービスを低負担で受けられますが、政宏さんは「恥ずかしい話ですが、介護保険のことを知らなくて…」と告白します。利用できる公的制度を知らないと、金銭面も含めてどれだけ苦しい介護生活になるかが浮き彫りになりました。
【3位】
■映画上映中にスマホいじりする若者、「2時間は耐えられない」(11月)
映画館で映画上映中にちらほら見かけるスマホいじりする人たち。映画に集中したい人たちにとっては迷惑このうえないものですが、当の本人たちはどう思ってスマホをいじっているのかを取材した記事です。
その理由として、知人からの連絡が来るかもしれない、長い時間は耐えられないなどの声があがっていましたが、彼らの多くが「そこまで悪いことをやっているという感覚がなかった」ことに驚いた読者も少なくなかったのではないでしょうか。