「国民年金なんて、どうせ『払い損』でしょ?」と、国民年金保険料の未納を続けている人はいないだろうか。自営業者やフリーランスは、会社員と違って社会保険料が天引きされず、自分で納付することになるので、支払いはシビアになりがちだ。特に公的年金に関しては、「払っただけ返ってこない」「若い世代ほど『払い損』になる」「早死にしたら保険料がムダ」「そもそも収入が少なくて、支払えない」などと、何かと理由をつけて支払いをしていない人も少なくないようだ。実際、自営業者やフリーランスが加入する国民年金の保険料納付率は約60%と、4割の人が未納状態となっている。
しかし、こうした「年金不信」には誤解も多く、保険料未納で結果的に損をしたり将来大損する可能性があることをご存じだろうか。人にもよるが、年金保険料を支払った方が結果的におトクになるケースは意外に多いのだ。
たとえば、2歳と0歳の子を持つ40歳の自営業男性のケースを見てみよう。月額16,260円(平成28年度)の国民年金保険料を60歳まで払い続ければ、65歳からは年額78万100円の老齢年金(同)を受け取ることができる。
これだけだと微妙だと思うかもしれないが、国民年金には「万一の保障」がある。たとえば、もしこの男性が死亡した場合、遺族年金として第1子が18歳になる年度末までは年額122万9100円(同)、そこから第2子が18歳になるまでの間は100万4600円が妻に対して支払われるのだ。