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三井と三菱は銀行業で明暗分かれる 両グループの性格の違いも

三菱グループと三井グループを比較

三菱グループと三井グループを比較

 日本経済を牽引する三菱グループと三井グループ。三菱は「組織の三菱」と称され、中興の祖とされる岩崎小彌太が示した経営理念「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」は「三綱領」として今も引き継がれる。三井は「人の三井」と呼ばれ、チームより個人を重視する経営方針で成長した。

 三菱グループの会長・社長は毎月第二金曜日の正午に丸の内の三菱商事本社ビルに集い、三菱ブランドを高めるため親睦する社長会「金曜会」を開催する。三井グループは毎月第二木曜日に中核企業の社長が集まり、情報交換を行なう「二木会」を開催する。

「金曜会」は原則全員参加だが、「二木会」は個人の裁量に委ねられる。従来は三菱の「結束力」が目立ってきたが、最近は三井の「個の力」が本領を発揮している。

 最も顕著なのが、両グループの要である「銀行」だ。2019年3月期決算の連結業務純益で、三井住友フィナンシャルグループ(1兆1923億円)は三菱UFJフィナンシャル・グループ(1兆785億円)を抜いて、3メガバンク体制になって初の首位を獲得した。市場部門の業務純益も、三井住友は前年同期比2.1%増、三菱UFJは同26.0%減と明暗が分かれた。金融ジャーナリストの小泉深氏が指摘する。

「もともとの企業体質としては三菱UFJが慎重で、住友の文化に牽引されている三井住友が積極的です。景気の良い時期には積極的な姿勢の銀行の方が儲かるので、三井住友が三菱UFJを上回ったのはこのところの景気の上向きが大きな要因でしょう」

 三井住友の太田純社長は決算会見で「我々の強みは銀行、リース、証券、クレジットカードなど各業界でトップクラスの企業を有している点だ」と述べた。

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