いよいよ2019年も残りわずか。年越しの定番であるNHK紅白歌合戦を楽しみにしている人も多いだろう。今年は2020年いっぱいで活動休止を発表している人気グループの嵐が11回目となる出演を果たすのに加え、メンバーの櫻井翔が2年連続で白組司会を務める。
嵐ファンならずとも注目しておきたいのが、嵐の紅白出場と景気との関連だ。身近な事象と景気との関係に詳しい三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、「嵐が紅白に出場すると、景気にプラスに働く可能性がある」と指摘する。
「嵐が紅白に出場した過去10回の年末は、すべて景気拡張局面にあたっています。少々気が早いですが、次の紅白が行われる2020年の大みそかは嵐として活動する最後の日になるので、紅白出場はほぼ確定と思われます。要するに、このジンクスが継続すれば、少なくとも2020年末までは景気拡張局面が続く可能性が高いのです」
しかし、なぜ嵐が紅白に出ていると景気が良いのか。実は嵐以外にも、大御所歌手である北島三郎にも同様のジンクスがあると宅森氏は指摘する。北島三郎は特別出演を含め、過去51回もNHK紅白歌合戦に出演しているが、そのうち7回で代表曲のひとつである『まつり』を歌っている。その『まつり』をうたった7回がすべて、景気は拡張局面にあたっているのだという。
「『まつり』は大漁と豊作を祝う威勢のいい曲で、景気の良い時でないと歌いにくい雰囲気があります。国民的歌手である北島三郎が紅白の舞台でこれを歌えるのは、好景気の証。同じことは、嵐にもあてはまると考えられます。紅白での嵐の曲はメドレーが恒例ですが、過去3回歌われた『Happiness』など前向きで元気なイメージの曲が多い。『まつり』と同様に国民を元気づけてくれるのではないでしょうか」(宅森氏)
11月には天皇陛下の即位を祝う国民祭典で奉祝曲を披露した嵐は、文句なしの国民的人気グループだ。2019年の紅白では恒例のメドレーのほか、米津玄師が書き下ろした2020年NHK応援ソング『カイト』を初披露するという。消費増税で消費者の懐が痛んだ2019年ではあったが、最後は嵐の元気なステージで締めくくり、景気の良い新年を迎えたいものだ。