4月に施行される「同一労働同一賃金制度」では企業の賃金体系に大きな変化が起きる。
定年後、嘱託社員として正社員と同じ仕事をしている人であれば、新制度導入後は正社員と同基準でボーナスや退職金を支給されるようになる可能性もある。ただし、喜ぶのは早そうだ。ベテラン社会保険労務士が指摘する。
「多くの企業では制度導入前に正社員と非正規社員との労働条件の格差をなくすために、正社員の家族手当や住宅手当などの廃止・縮小など賃金体系の見直しを検討しています。その結果、新制度導入で正社員の実質賃金が下がり、非正規社員にもメリットが薄いということになりかねません」
※週刊ポスト2020年1月17・24日号