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【ドル円週間見通し】FRBのハト派姿勢が強まれば、伸び悩むか

年始のドル円は伸び悩むか

年始のドル円は伸び悩むか

 投資情報会社・フィスコが12月30日~1月10日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週、来週のドル円は伸び悩みか。米国株式は堅調に推移しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の2020年の金融政策運営はハト派寄り(緩和的な金融政策を維持)との見方が強まれば、ドル買いは抑制されそうだ。米中通商協議で両国首脳が1月中に会談し、第1段階合意の署名を行う見通しであり、米中貿易摩擦の解消に向けた動きが好感され、ドルを押し上げる要因となるが、年明け直後に発表されるISM製造業景況指数は、経済活動の拡大・縮小の節目である50を下回る見通し。製造業の景況感の回復に遅れが示されれば、ドル買いは入りづらい。

 一方、12月10-11日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が1月3日に公表される(日本時間4日)。FRBは同会合で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定。米国経済に関し緩やかなペースで拡大しているとしたものの、2020年に向け金利据え置きを示唆している。金利引き上げに慎重な意見が多くみられた場合、追加利下げへの思惑が再浮上し、ドル売り要因となろう。なお、米朝非核化交渉で北朝鮮は年末を期限としており、そのタイミングで地政学リスクが高まれば円買いが強まる可能性もある。

【米・CB12月消費者信頼感指数】(31日)
 12月31日発表の米CB12月消費者信頼感指数は128.0と、11月の125.5を上回る見通し。7-9月期国内総生産(GDP)が底堅い内容となり拡大基調の維持を裏付けられれば、株高を通じてドル買いを誘発する手がかりに。

【米・12月ISM製造業景況指数】(1月3日発表予定)
 1月3日発表の米12月ISM製造業景況指数は49.0と、11月の48.1から小幅に改善が見込まれる。ただ、50を下回り引き続き製造業の弱い景況感が示されれば、ドル買いは後退しそうだ。

【FOMC議事要旨】(1月3日公表予定)
 12月10-11日開催のFOMCは4会合ぶりに政策金利を据え置き。声明やパウエルFRB議長会見で示された2020年中の金利維持が改めて意識され、ドル買いは弱まる見通し。

【米・12月雇用統計】(1月10日発表予定)
 1月10日発表の12月雇用統計は、失業率3.5%(前回3.5%)、非農業部門雇用者数は前月比+16.8万人(同+26.6万人)、平均時給は前年比+3.1%(同+3.1%)と予想される。雇用者数は前回の反動で減少が見込まれるものの、想定内ならドル売りは限定的。

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