今年も実施されたZOZO創業者、前澤友作(44才)氏の10億円バラ撒き企画。「金持ちの考えることはわからん」と呆れながらも、働けど働けど、貯金より老後の不安が積み上がる庶民には「お金」も無視できないのがつらいところ。激変するマネー環境に対応し、今年こそ金持ちへの道を開きたい。
昨年4月に『フォーブスジャパン』が発表した「日本長者番付2019」は、トップに『ユニクロ』を手がけるファーストリテイリングの柳井正会長(70才)、2位にソフトバンクグループの孫正義社長(62才)が続く。『お金持ちの行動学』(宝島社)などの著者であり経済学者の橘木俊詔(たちばなきとしあき)さんが話す。
「この数年で急激にお金持ちの“質”が変わってきているように感じます。かつての富豪たちは“自分はお金持ち”とは言わず、慎ましくしていました。最高税率80%という所得税を払い、“自分はたくさん持っているから貧乏な人も含めて社会全体で富を分配すればいい”と考える人が多かった」
たしかに、2005年まで政府が発表していた「高額納税者」ランキングには、聞いたことのない名前の経営者や資産家が並んでいた。「お金をひけらかすのははしたないこと」という美徳が残っていた時代なのだろう。
「ところが、前澤氏を筆頭に、最近のお金持ちは目立つことをいとわないどころか、“自分は頑張ってお金を稼いだんだ”ということを強くアピールする傾向があります。さらに“自分が稼いだお金を社会に取られるのはがまんできない”という考え方が増えて、所得税率は最高40%まで落ちました。
そんなお金持ちの姿勢を反映し、“貧乏人は自己責任。怠けているから貧乏なんだ”という考え方も広まりました」(橘木さん)