七味唐辛子をテーブルの中央に置くのはOK
あとは「上座・下座」問題もあります。正直、席なんてどこでもいいんですよ。タバコを吸う人同士が固まる、といったことは必要かもしれませんが、エライ、エラクない、といったことでいちいち席順を考えるのは野暮です。おしぼりを置こうとしている店員だって「山田さん、さぁさぁ、奥へ!」「いえいえ、田中さんこそ奥へどうぞ!」「いえいえ田中さん、どうぞどうぞ!」なんてやり取りをしているのを見たら「どーでもいいから、さっさと座れよ」と思うことでしょう。席順においては、お酒をたくさん飲んでトイレによく行く人は出やすい席に座る、もうすぐ電話が来ることが分かっている人も同様に出やすい席に座る、といった程度のことでいいでしょう。
注文を決めるにしても、互いに遠慮しあってなかなか決まらない、というのも無駄だと思います。先日、4人で行われた某飲み会で、その店に詳しい人が「この『数の子昆布揚げ』うまいよ。4本頼もうよ」と言ってくれました。「いいですね!」とすぐにこの料理のオーダーが決まりました。もし、「他の方々が食べたいものがあるだろうに、私が主張をしていいのだろうか……」なんて全員が牽制しあうようなら、結局店員がその場でボーゼンと立ち尽くす、なんてことになるのです。
最初のオーダーなんてもんは、パパッと見て「コレ!」というものを3~4品ほど頼んじゃえばいいんですよ。それは各自1つずつ何かを言う、ということでOKでしょう。仮に嫌いなものがあったとした場合、それは到着した時点で「あ、私ホヤが嫌いなんで皆さんでどうぞ」と言えばいいだけ。
ほかにも「焼き鳥を串から外してあげる(各人が好きなものを1本ずつ頼めばいいだけ)」「箸の背の部分で食べ物を取る(取り箸を追加でもらえばいいだけ)」なんかもありますね。しかし、いずれも他人を慮る優しい気持ちから来る行動なだけに、指摘するのも気が引ける。だからタチが悪いのです。
これまで「余計な配慮は不要」という話をしてきたものの、もちろん必要な配慮もあります。「七味唐辛子をテーブルの中央に置く」「少しだけ残った液体のないものは1つの皿にまとめて入れておく」「誰かのドリンクがなくなりかけたら『追加します?』と聞いたうえで呼び出しボタンを押してあげる」なんかが該当すると思います。
「刺身皿に醤油の近くの人が人数分全部入れて配る」は賛否あるかもしれませんが、醤油入れって手渡しするとけっこう手元が狂ってこぼれたりするんですよね。やりやすいポジションの人がやっていいと思います。ただし、その場の一番下っ端が率先してやる必要はありません。醤油入れに一番近い人がやればいいんです。