投資情報会社・フィスコが1月20日~1月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米中通商協議における第1段階の合意署名を受けて、リスク選好的な円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。ドル円は1月14日の取引で8カ月ぶりとなる110円台に上昇したが、その後は110円を挟んだ水準で取引されている。1ドル=110円台には輸出企業や短期筋などのドル売り注文が入っており、ドルの一段の上昇は抑制される見通し。米中通商協議に関しては、中国側は産業補助金制度などの是正には慎重とみられ、第2段階は早くも難航が予想されるため、リスク選好的な円売りがただちに拡大することは期待できない。
米国の消費者物価指数(CPI)や小売売上高は底堅く、米国経済の拡大基調は維持されていることを示唆しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重姿勢を維持しており、目先発表される指標が予想外に強い内容でなければドル買いの手がかりにはなりにくい。
【米・12月中古住宅販売件数】(22日発表予定)
22日発表の米12月中古住宅販売件数は542万戸と、11月実績の535万戸を上回る見通し。旺盛な個人消費を反映する結果となった場合、景気拡大の持続に思惑が広がり、株高・ドル高につながろう。
【米・マークイット1月製造業購買担当者景気指数(PMI)】(24日発表予定)
24日発表の米マークイット1月製造業PMIは52.8と、12月の52.4を上回る公算。1月15日発表の1月NY連銀製造業景気指数と16日発表のフィラデルフィア連銀景況調査はいずれも市場予想を上回っていた。マークイット1月製造業PMIも市場予想を上回った場合、来月初旬に発表される1月ISM製造業景況指数の改善が期待されることでドル買い要因になりそうだ。