早く「AIに代替して欲しい」という業務も
一方で、AI化によって、雑多な業務が軽減されることを予見し、それを期待する人もいる。企業で広報を担当する30代の女性・Cさんだ。
「将来的にAIが得意な分野で、仕事の置き換えはあり得ると思っています。メディアや記者への情報共有はその一つ。情報が蓄積されてさえいれば、メディアの優先順位付けの判断や、テンプレートでの返信は、AIの方が精度高くスピーディに対応できるはずです。また、データを蓄積したAIの分析により、炎上や風評被害などといったリスクを回避しやすくなるのでは」(Cさん)
営業職に就く20代の男性・Dさんは、AI化によって顧客からの“無茶振り”が減ることに期待している。
「人の営業マンに期待されるのは、無理な納期調整などのイレギュラーな仕事。例えば僕が『無理』と言っても聞く耳を持ってくれないことはありますが、AIが『無理』と言うなら顧客も諦めが付きそう。資料送付などの誰にでも出来る作業と一緒に、早く無茶振りがなくなってほしいです」(Dさん)
AIとうまく付き合っていきたい
大手IT企業に勤める30代の男性・Eさんは、自らの仕事がAIによってなくなることはない、と考えている。
「AIを使いこなす立場なので、仕事を奪われる危機感よりも、うまく付き合う方法への関心が高いですね。AIに何ができて何ができないかを、一番間近でみて理解している職種。10年後の世界がどうなっているか分かりませんが、最もリプレイスされにくい仕事なのかなと思っています」(Eさん)
AIの進化が私たちの働き方にどんな影響を及ぼすのか。AIに仕事が奪われることを心配するよりも、無駄な手間やコストを削減してくれることを期待する声は少なくないようだ。