投資情報会社・フィスコが1月27日~1月31日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米経済指標は底堅い内容が予想され、景気拡大基調を好感して米国株式は底堅い動きを見せる可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利引き上げについて引き続き慎重姿勢を堅持するとみられ、中長期的な利上げ観測は台頭せず、リスク選好的なドル買い・円売りが拡大する可能性は低いとみられる。
今週発表の12月新築住宅販売件数、12月耐久財受注、1月消費者信頼感指数、10-12月期国内総生産などの主要経済指標はまずまず良好な内容になると予想されている。特に住宅関連指標は堅調さが目立つ。ニューヨーク株式市場も住宅セクターを中心に関連銘柄に買いが入っており、株価指数を押し上げているもよう。また、ハイテク産業などの好業績も株高をけん引している。
ただ、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大による影響が、米中通商協議における第1段階の合意署名後のリスクオンムードを縮小させている。目先的にリスク回避的なドル、円、スイスフランの買いは継続する可能性があり、この影響でクロス円取引などで円買いが強まる場面もありそうだ。また、1ドル=110円台には輸出企業や一部投資家のドル売り注文が残されているようだ。この水準には短期筋のドル売り興味も確認されており、対円でドルの上昇はある程度抑制されそうだ。
【米・10-12月期国内総生産(GDP)速報値】(30日発表予定)
1月30日発表の米GDP速報値は、7-9月期の+2.1%からさらに高成長が示されれば、株高や金利高を手がかりにドル買いを誘発しよう。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(1月28-29日開催)
1月28-29日開催のFOMCは2会合連続で政策金利据え置きが予想される。声明やパウエルFRB議長会見でハト派寄りのスタンスが示されれば、ドル売りに振れやすい見通し。