日本では年間通しておなじみのマスク姿。最近では新型コロナウイルス対策で、中国をはじめアジア各地でマスクを着用する人が激増しているが、国が違えばその事情もまた違ってくる。最近はタイでも着用する人が増えているが、元々タイでのマスク着用は、大気汚染対策としての意味合いが強い。
バンコクの大気汚染は深刻化している。1月21日、タイ・バンコクではPM2.5の濃度が観測地52か所のうち50か所で政府の安全基準値を超えたため、437校の学校が休校になったという。現地メディア「Bangkok Post」が報じている。
ここ最近の状況について、バンコク在住の日本人男性会社員・Aさん(30代)は、「アプリでPM2.5の濃度を見るのが日課ですが、むしろ空を見た方が早いくらい。白いモヤがかかっている感じで、黄色かオレンジめいたときもある。異様な雰囲気です。マスクは必須で、しないとのどが痛くなります」と悲痛な声をあげる。
バンコクの街は、ここ数年マスクをしている人が目立つようになった。それも30度を超える暑い日中でも、しっかりと着用している。特に若い人を中心にその傾向が強い。
「同僚のタイ人から、日本に帰るときは『マスクを買ってきてくれないか』と頼まれることが増えました。PM2.5対策用のしっかりとしたマスクや、耳が痛くならないタイプデザインのもの。作業現場並みの防塵用マスクを求める人もいました」(Aさん)
タイ人の女性会社員・Bさん(20代)はバンコクのマスク事情をこう説明する。
「建設ラッシュで街がほこりっぽいうえに、渋滞で排気ガスもすごい。PM2.5の対策もしないと、あっという間に喉が痛くなるため、排気弁がついているような防塵マスクをする人もいます。色は白、水、黒色が基本ですね。私も通勤時に最寄り駅まで15分ほど歩く際は、マスクを着用しています。買うならいいモノがいいので、日本製を選びたいです」