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少子化の背景に「少婚化」問題、結婚で失われる利益は大きく…

出生数は団塊世代の約40%に

出生数は団塊世代の約40%に

キャリア女性なら一生で2億円の“産み損”

 まず指摘できるのは「少婚化」だ。そもそも日本では、結婚する人が減り続けている。

 50才時点で結婚歴がない人の割合を指す「生涯未婚率」は上昇を続け、2015年の「国勢調査」では、50才男性の4人に1人(23.37%)、50才女性の7人に1人(14.06%)が未婚、つまり一度も結婚していなかった。1990年の生涯未婚率は男性5.6%、女性4.3%だったことから考えると、25年間で激増している。

 ベビーブームの末期で、「専業主婦黄金期」とされる1950年頃と比較してみよう。

 当時の生涯未婚率はわずか1.5%。団塊の世代が育った1950年の出生数は233万7507人と、2019年の出生数の2.7倍に達する。東北大学大学院経済学研究科高齢経済社会研究センター長で教授の吉田浩さんが指摘する。

「かつては“結婚すれば専業主婦になって子供を持って幸せになれる”と誰もが信じていた。しかし、今や男性の非正規雇用者が増加し、夫婦で働かないと、子供どころか自分たちの生活すら苦しい。共働きが当たり前になるなかで、いざ子供をつくろうとしたら、仕事を続けられなくなるリスクもあります。

 さらに男性の非正規雇用が増えて同世代の男性の賃金が低い状況では、結婚するよりも親と暮らす方が経済的に安定します」(吉田さん)

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