「固定期間選択型(金利0.8%)」など、現在の低金利政策下では金利1%未満の商品は数多い。
「Aさんが借り換えで金利0.8%まで下げると、ローン残高は約1224万円まで圧縮されます。返済期間10年間で約99万円圧縮できるので、月々の支払いは8250円少なくなる。年収が400万円程度あれば審査に通る可能性は高いので、定年間際や再雇用で働いている時期でも借り換え可能な人が多い」(山下氏)
借り換え時には事務手数料や登記関連費用などが発生するが(借り換え額によって異なる)、「ざっくりした比較ですが、『ローン残高1000万円以上』で『借り換え前と後の金利差が1%以上』なら得になるケースが多い」(同前)ので、検討の目安になるだろう。
定年前の借り換えならば、退職金を「繰り上げ返済」に充てる選択肢も。
「金利を下げること以上に、ローン残高と返済期間を減らすのは効果が高い。収入が激減する定年後になってから貯蓄を繰り上げ返済に回す人もいますが、それは老後の生活レベルを大きく下げる結果になりかねません。退職金という“サラリーマン人生最後のボーナス”をどう考えるかも重要になってきます」
※週刊ポスト2020年2月14日号