仕事柄、お酒を飲んでばかりというのがホストクラブの勤務中の業務として必要で、そうすることを店側から求められていたり、客の要求を拒否できない場合、これらの条件を満たしそうです。
ただし、接客中にホスト側の過度な飲酒を禁じている店もあると思います。そのような場合、禁止が建前であって、実際には客と一緒に飲酒して売り上げを伸ばすことが事実上求められていない限りは、自分の嗜好で飲酒したものとして、業務との関連を否定されるでしょう。
勤務中に急性アルコール中毒で倒れたような場合は、労災事故になるかもしれません。それでも必要な自制を怠って過度の飲酒により、患った肝硬変が業務上の疾病に当たるかは疑問です。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2020年2月21日号