【4】「追伸、この単位を落とした場合(以下略)」の“脅し系”
「これまでの教員生活のなかで、おそらく200名以上のレポートで目にしたのが、最後に『追伸』や『余談ですが』などと私信を書いてくる学生です。講義中に、レポート課題と無関係なものを記さないようにと指示していますが、それでも一つの講義で必ず数名は出てきます。
たとえば、『この講義で単位を落とすと、内定先の◯◯銀行(メガバンク)に多大な迷惑がかかることとなります。どうか、その点をご考慮ください』という謎の脅しや、『この単位を落として卒業ができなくなった場合、家庭の事情につき留年や就職浪人等ができない点をご理解ください』といったものもあります。正直、『知らんがな……』と心の中でつぶやいています」(私大教員/40代・男性)
【5】「そのとき、私はこう悟ったのだ。◯◯だと……」の“小説・ラノベ文体系”
「論理的な記述をするよう指示していますが、必ず小説系の文体で提出してくる学生がいます。特に“自分は文章が上手い、自信がある”という意識が強い学生ほど、難読漢字を多用したり、私小説的な文体を使ったりする傾向にあるような気がします。一番記憶に残っているのは、夢の内容から始まるレポートでした。途中まで読んで意味がわからず、中盤で『……という夢をみたのだ』と書いてあり愕然としました。これはもう、レポートではなくラノベです」(私大非常勤講師/20代・女性)
【6】改行ゼロ、写メ、歌詞の羅列……“トリックスター系”
「最近多いのが、改行がまったくないレポートですね。注意していますが、それでもなぜかなくならない。A4で5枚分、一切改行がないレポートもありました。自宅にPCがない学生も多いですから、文章作成ソフトの使い方も含めて、各教員が指南しなくてはならない状況ですね(国立大教員/40代・男性)
「Wordでの提出を指示しましたが、なかにはノートに手書きのレポートを書いてスキャンしたデータを提出してくる学生、スマホで写メしたものを提出してくる学生もいます。もう、たいていのことでは驚かなくなりましたが、正直毎年これが続くと精神的に疲れます」(私大教員/30代・女性)
「音楽文化に関する講義で、とある日本人ラッパーの事例を話したところ、学生のレポートの内容がすべてラッパーの歌詞の羅列で埋め尽くされていたこと。他にも漫才のネタを丸々書き写したレポートなど、とにかく『文字数を埋めればワンチャンス、単位を貰えるだろう』という甘い考えの学生は少なくありません。もちろん単位不可です」(私大教員/40代・男性)
以上、さまざまな事例を紹介したが、そのほとんどは教員が“好ましくない”と判断しているものである。これらの点を意識的に解消するだけでも、レポートの質は向上する。現役大学生は今後のレポート執筆の注意点として、「参考にしてみてはいかがだろうか?」。