倫理上“人体実験”ができないため、人体への影響は完全には証明できない。しかし、肥育ホルモン使用牛のリスクは見逃せるものではない。当の米国でも「ホルモンフリー」の肉が人気を博すなど、世界中で問題視され、避けられている。無邪気に食べているのは日本人だけなのだ──。
「スーパーで原産地表示を確認して、アメリカ産牛肉を買わなければいいのでは?」と思う人もいるだろう。
たしかにスーパーの生鮮食品は、原産国名表示が必須。しかし、果たしてその「アメリカ産」だけを避ければ、口にしなくて済むのだろうか。
「加工食品は、重量が最も多い食材が肉でない限り、産地を明記する義務はありません。レトルトカレーから冷凍コロッケまで、さまざまな商品に牛肉は入っています。また、お総菜など、作ったその場で販売される食品は、『お店の人に確認することができるから』という理由で、原料原産地表示は不要。肉じゃがや牛肉の炒め物、最近ブームの牛カツだって、安いアメリカ産である可能性は充分あります」(食品ジャーナリスト)
産地を尋ねられて即座に答えられる店員が、果たしてどれくらいいるのだろう。
※女性セブン2020年2月27日号