飲み会の企画をして人に声をかけるとき、中には予定がはっきりせず「行けたら行く」といった曖昧な返事をする人がいる。時事ネタやネットの出来事を日々つぶやいているツイッター主婦の深爪さんが、この「行けたら行く」という言葉について考察する。
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飲み会の幹事をしていていちばん困るのは、出欠の確認をした時に、「行けたら行く」と回答する人間である。頭数に入れなければ当日現れた時に「席がない」と文句を言われるし、頭数に入れて来なければキャンセル料を徴収しなければならない。そして、得てしてそういうヤツはなんだかんだ言って金を払わないので、出席者がその分を被らなければならないのだ。迷惑極まりない。
ただの飲み会ならまだしも、誕生日パーティーのような祝い事の場合はさらに印象が悪くなる。「行けない(行きたくない)が、無下に断るのは失礼」という理由で「行けたら行く」を使う人もいるようだが、これは「お前の優先順位は低いが、とりあえずおれの席は確保しておけ」とも受け取れるし、むしろめちゃくちゃ失礼な物言いだ。
先日も「行けたら行く」を食らった(結局来なかった)ので、いかに「行けたら行く」が失礼かを友人に愚痴ったところ、
「『NOと言えない日本人』と揶揄されるように、日本人は断るのが苦手な国民性だといわれる。これはおそらく、日本人の謙虚さや他人を尊重する文化が裏目に出たものだろう。『せっかく誘ってもらったのに断るのはおこがましい』とか『断ったら相手が傷つくのではないか』と必要以上に相手を慮るからはっきりと断れないのである。素晴らしい文化である」
と諭された。まさかの「行けたら行く」擁護派の登場に、振り上げた拳のやり場に困ってしまった。