売れ残り肉を加工した唐揚げ弁当、産地記載が不要になる刺身盛り、数か月前に作ったパン生地で焼いたパン──。スーパーに並ぶ総菜や弁当には、実はさまざまなカラクリが潜んでいる。しかし、すべてのスーパーが危険なわけではない。きちんと管理されたスーパーの安全な総菜ならば、おいしくいただくべきだろう。そのためには、見極めが大事になる。そこで、「危ないスーパー」「安全なスーパー」の見分け方について専門家の意見を聞いた。
当たり前のことだが、店舗の清潔さは1つの指針になる。食品安全教育研究所代表の河岸宏和さんが解説する。
「特にチェックしてほしいのが、バックヤードと売り場の間にある出入口周辺。そのあたりのマットやドア、床が汚れている店はダメです」
次に河岸さんが見るのは、インスタントラーメン売り場。
「一見、お総菜とは関係なさそうですが、ネズミやゴキブリのいる店は大好物のインスタントラーメン売り場にかじりかすが落ちていることが多い」(河岸さん・以下同)
また、店員のたたずまいにもそれが表れる。
「総菜コーナーで商品に向かったとき、店員と目が合う店はいい店です。目が合うということは店員が店の中をしっかり見ているということであり、お客さんから質問があればきちんと答えようとする意識の表れでもある。
加えて店員がマスクや帽子をきちんとつけているか。特に鼻を覆う形でつけているかどうかは要注意。鼻の下には黄色ブドウ球菌という細菌が多く存在し、これが食品に落ちるとエンテロトキシンという毒素を生成してしまうからです。これは一度できると加熱しても消えません。2000年に起きた雪印食品の大規模食中毒事件はこの毒素が原因です」