ネット通信の発達やスマホなどデバイスの進化で生活は便利になった。その一方で、通販サイトで商品を閲覧したり購入したりすると、その履歴がネット上に残って、広告表示に利用されるなど、どこか“気持ち悪い”と感じるようなことも増えている。
犯罪につながらなかったとしても、日々私たちの情報は抜き取られ、思ってもみないような大きな範囲で共有されている。スマホやSNSの普及で検索やネットショップなどが手軽にできるようになった半面、私たちの行動パターンや嗜好パターンは自動的にサイバー空間に保存されるようになった。例えばゲームアプリの『ポケモンGO』や『ドラゴンクエストウォーク』を楽しめば、どこからどこまで歩いたかがいつの間にか保存される。
ITジャーナリストの三上洋さんは人気の「共通ポイント」にも注意を促す。
「提携先が多い共通ポイントを必死に集める人が多いですが、例えば『Tポイント』で1回買い物をすると、その情報は提携先のすべての加盟店に流れます。例えばドラッグストアでダイエット用品を購入したら、別のスーパーからダイエット用品のDMが届きかねません。言うなれば私たちは個人情報を“売って”ポイントをもらっているのです」
私たちがポイントや無料アプリと引き換えに流出させた情報は、「広告主」に高額で売買される。
「個人情報を誰よりもほしがっているのは、広告主です。例えば、健康状態の悪い人に高額の薬の広告を出し、YouTubeで化粧品ばかり見ている人に新作のアイシャドーの広告を出せば、購入してもらえる確率が高い。現在は情報がかつてないほどの価値を持ち、フェイスブックの収益は、98.5%が広告収入といわれます」(国際ジャーナリストの山田敏弘さん)