東京五輪の開幕を間近に控えているが、五輪の開催国には、サイバー攻撃やフィッシング詐欺などが頻出するといわれており、日本でもこれからサイバー犯罪は増加の一途をたどることが予想される。
サイバー被害を防ぐために個人は何をすべきだろうか。国際ジャーナリストの山田敏弘さんが指摘する。
「まずは身に覚えのないSMS(ショートメッセージサービス)や一般のメールを開かないことを徹底する。アプリに不正なプログラムが埋め込まれていることもあるので、ネット上であまりなじみのないアプリをインストールするのも避けた方がいい」
最も注意すべきは、IDとパスワードの管理だ。ITジャーナリストの三上洋さんが言う。
「いまだにパスワードを使い回す人が多いのですが、ハッカー集団は盗んだメールアドレスとパスワードのセットを使ってグーグル、フェイスブック、アマゾン、ヤフーなどあらゆるポータルサイトに不正アクセスを試みます。
これを避ける最大の対策は、パスワードをすべて変えることです。覚えられなければ、紙にメモして自宅で保管すればいい。その紙を盗まれたらどうするのか、という意見も聞くが、空き巣に遭う可能性は不正アクセスよりもずっと低いのです。使い回すのが最大の悪であり、それに比べれば紙にメモすることくらい、大したことではありません。最後はアナログに頼った方がいいでしょう」