投資情報会社・フィスコが2月24日~2月28日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円はじり高で推移か。日本国内で新型コロナウイルス感染が拡大しており、日本経済の先行きが懸念されるなか、「リスク回避の円売り」は継続し、ドル・円相場は円安方向に振れる可能性がある。ドル上昇のペースは速いとの見方が出ているものの。米国経済指標の改善を好感したドル買いも観測されており、ドルは底堅く推移するとみられる。
日本でのウイルス感染被害を受け日本企業の業績悪化は避けられず、金融市場は今後の経済活動の縮小を想定しつつある。この動きによってこれまで安全通貨と見なされていた円はリスク通貨(資産)へと変わりつつある。日本銀行による追加緩和の思惑が浮上していることも、ドル買い・円売りを促す一因となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28-29日開催分)で「新型コロナウイルスの感染拡大は新たな脅威」としながらも、金融政策への影響は乏しいとの理由で追加利下げ観測は台頭していないこともドル高進行の一因とみられている。
27日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.1%から+2.2%と、上方修正が予想される。主要国のなかでも米国経済の強さが際立ち、株高などを通じてドル買いに振れる見通し。加えて、中国政府による企業の資金繰り支援のほか景気刺激策への期待感がリスク選好の円売りを促す可能性があることも留意すべきか。
【米・1月新築住宅販売件数】(26日発表予定)
26日発表の米1月新築住宅販売戸数は71万件と、昨年12月の69.4万件を上回る見通し。1月建設許可件数は高水準を維持しており、住宅関連指標はおおむね堅調。市場予想と一致すれば、ドル買い要因に。
【米・10-12月期 GDP改定値】(27日発表予定)
27日発表の米10-12月期 GDP改定値は前期比年率+2.2%と、速報値の+2.1%から上方修正が予想される。ユーロ圏の減速が顕著となるなか、米国経済の強さが際立ち、株高などを通じてドル買いに振れる見通し。