新型コロナウイルスの感染拡大で全国一斉休校が要求されるなど、様々な分野に影響が及んでいるが、この時期、卒業を控えていた学生たちが楽しみにしていた「卒業旅行」もそのひとつだ。渡航先によってはキャンセルすべきか、続行すべきか選択に迫られる。学生たちそれぞれの苦悩を聞いた。
都内在住の女子大学生・Aさんはエステや買い物など、友人たちと韓国旅行を満喫する予定だったが、泣く泣くキャンセルを決めたと話す。
「卒業旅行で友だちと韓国に行くことを決めていましたが、キャンセルを決めました。私のせいで家族や恋人に感染してほしくないし、内定先にも迷惑がかかるのはイヤなので……。キャンセル料が3万円ほどかかり、ものすごく楽しみにしていただけに精神的にも金銭的にもつらいです」(Aさん)
Aさんの卒業旅行の中止に至るまでに、友だち同士で意見が割れてしまい、ちょっとしたケンカになって大変だったという。
「コロナを怖がって親からも止められた子、細心の注意をして行けば大丈夫という子など、意見が割れて、話し合いも険悪な雰囲気になりましたね。この騒動の影響もあってか、韓国までの往復航空券が1万円を切っているので、ひょっとしたら弾丸ツアーで行く子もいるかもしれませんが、心配です……」(Aさん)
埼玉県在住の男子大学生・Bさんも、タイへの卒業旅行をキャンセルしたばかりだ。タイ保健省が2月23日、日本や中国、韓国などからの渡航者に対して、14日間は公共交通機関の利用を控えるように要請したことがきっかけだ。