「タイは物価が安くて食事もおいしいので、彼女と一緒に卒業旅行に行く予定でしたが、彼女の親に猛烈に反対を受けてしまい、キャンセル。感染リスクを考えたら仕方ないのですが……つらいですね。正直、この日のためにお互いバイトを頑張ってきたし、学生時代最後の思い出を作りたかったので、本当に悔しいです。なかなか社会人になると時間が取れないと思いますが、落ち着いたら絶対に彼女とタイに行きたいです」(Bさん)
Bさんはタイへの卒業旅行は中止するが、国内で近場の旅行を検討しているという。
「どこにも行かないというのはあまりにも寂しいので、近県もしくは東京のおしゃれな街でお泊りというのも考えています。もちろんマスクやアルコール消毒など対策を徹底する予定です。こんな状況なので、卒業式もどうなることやら……」(Bさん)
中にはすでに国内で卒業旅行を楽しんだ学生もいる。先日、京都に一人旅をしてきたというのは、都内在住の女子大生・Cさんだ。
「東海出身なので、実家に帰ることも兼ねて、少し足を伸ばして、京都へひとり卒業旅行に行ってきました。駅がキュウギュウに混んでいたり、飲食店で行列するみたいなことはなく、目当ての伏見稲荷大社も空いていてびっくりしました。しかも、立地がよいホテルなのに、通常よりもかなり安い4000円で泊まれてラッキーでした」(Cさん)
ちなみにCさんも、当初は海外に行く予定だったが、国内に変更した経緯がある。周りの学生たちも困惑が広がっていると話す。
「私の周りではそこまで自粛ムードというのはないのですが、旅行会社から『先行きが不透明でどうなるかわかりません』的なことは言われた人はいて、かなり海外渡航を迷っているようでした。国内旅行への切り替えを検討している人は多いですし、強行する人もいます。中には2月初旬に行った免許合宿が事実上の卒業旅行になりそう、なんて嘆きも……」(Cさん)
新型コロナウイルスの余波で卒業旅行をめぐり学生たちも困惑している様子。一生に一度の思い出だけに、難しい判断を迫られているようだ。