途中で出汁を入れて2度楽しめる
メニューはスパゲティが14種類、そのうちたらこや明太子を使用しているものは10種類。スタッフの説明によると、一番人気は、看板メニューの『炙りたらこのお出汁スパゲティ(出汁スープ付き)』(890円+税)のようだ。“進化系”と銘打つ理由の一つが、この“お出汁スパゲティ”の存在で、途中で出汁を入れることで2度楽しむことができる。『炙りたらこ』のほか、『炙り明太子』『明太鮭』『いくらと山わさび』の4種類のメニューがある。
“お出汁スパゲティ”以外にも、平打ち麺を使った『白味噌と豆乳の明太クリーム』(990円+税)、『とろろ明太大葉のソース』(1190円+税)、『たらこと豆乳のカルボナーラ』(990円+税)など、こってり系のメニューも充実。『山盛りしらすのペペロンチーノ』(990円+税)をはじめ、たらこや明太子を使わないメニューもあるが、基本的にすべて和風で、トマト系や生クリーム系といった洋風のものはない。
早速『炙りたらこのお出汁スパゲティ』をオーダー。プラス200円(+税)で生姜ご飯とおばんざいを付け、定食にできる。ものの5分で運ばれてきたスパゲティには、ごろりとした炙りたらこをはじめ、海苔、しそ、ネギ、みょうが、ゴマなどの薬味がどっさりだ。
まずはスパゲティをたらこや薬味とよく混ぜ、ズルズルとすすってみる。タピオカが配合されているという麺は、弾力があり、薬味とよく絡んで一体感のある味になる。このモチモチさ加減は、讃岐うどんの“ぶっかけ”を食べている感覚に近いかもしれない。
“お茶漬け”状態で不思議なリセット感
3分の1ほど食べ進めたところで、お出汁を投入。薬味も相まって、まさに“たらこ茶漬け”状態になったスパゲティは、炙りたらこが適度に薄められ、より一層サラサラ食べられた。お茶漬けにするだけで不思議なリセット感があり、この“味変”に人気の秘密があるのかもしれない。胃もたれしないのもうれしい。
スパゲティと、あっさりとした生姜ご飯、そして野菜中心のおばんざいをもりもり平らげ、一息ついたところで、タイミングよくお茶を淹れてもらった。店内での滞在は約30分。他の客も食事を済ませるとさっさと帰っており、回転は早い印象。だが、お店の雰囲気はまったくせかせかしておらず、いい意味で “ファーストフード感”のない、満足度の高い食事となった。『東京たらこスパゲティ』に女性客が魅了されるのは、単に目新しさだけではないのかもしれない。