投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月9日~3月13日の動きを振り返りつつ、3月16日~3月19日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は17000円台割れまでの急落を見た。週間では5週連続安となった。
世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、景気後退の懸念が一段と強まり6日のNYダウは続落した。これを受けた週初9日の日経平均は一段安で始まると、減産交渉の決裂を受けた原油相場の急落、一時1ドル=101円台後半まで振れた円高など悪材料が重なり、朝方には節目の20000円をおよそ1年2カ月ぶり(終値ベースでは2019年1月4日以来)に割り込み、1277.49円安まで下落する場面もあった。
9日の米国市場は、新型コロナウイルスの感染拡大と原油価格の急落を嫌気し、寄り付き直後に「サーキットブレーカー」(すべての株式売買を一時停止する措置)が発動し、15分間の取引停止となった。NYダウは、過去最大の下げ幅となる2013.76ドル安の23851.02ドルで取引を終了した。この米国株安を受けて10日の日経平均は朝方に、取引時間中では2018年12月26日以来となる19000円割れに突っ込んだ。しかし、原油相場の落ち着きと円高の一服を受けて、取引開始直前にあった米大統領による給与減税実施との発言報道が見直され、日経平均は3日ぶりに上昇に転じた。
トランプ政権の景気対策への期待から10日のNYダウは4日ぶりに急反発をみた。しかし、11日の東京市場は、米国の経済対策に対する市場の期待が後退して日経平均は反落した。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック」と宣言したことを嫌気し、11日のNYダウは1464.94ドル安と急反落した。トランプ政権の景気対策も、具体的な内容や実施時期が不透明で投資家に失望感を与え、終日軟調推移となった。この流れから12日の東京市場にも朝方から売りが先行して全面安商状となった。トランプ米大統領が欧州からの入国を30日間全面停止すると発表し、新型肺炎感染拡大に対する警戒感が一段と高まり日経平均は一時1000円超に下げ幅を広げた。
12日のNYダウは2352.60ドル安(マイナス10%)と、過去最大の下げ幅、ブラックマンデー以来の下落率を記録した。9日に続く先週2度目の「サーキットブレーカー」が発動され、新型コロナウイルスの世界的流行で世界の経済成長が大きな打撃を受けるとの懸念から売りが加速した。メジャーSQ日に当たった13日の東京市場は、新型コロナウイルスの世界的大流行で世界の経済成長が大きな打撃を受けるとの懸念から、売りが一段と加速し全面安商状となった。