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コロナ連鎖倒産の悪夢 物販や飲食、イベント関連まで影響

「給料が払えなくなった」

 生活雑貨店の「aideco(アイデコ)」を8店舗、展開していた大阪市の「愛織」もこの3月に破産手続きに入った。同社関係者はこう嘆く。

「昨年10月の消費増税と暖冬で婦人服が売れなくなっていたなか、新型コロナで来店客が激減した。会社は従業員に給料も払えなくなり、不渡りも出した。新型コロナの影響は、小売店にも大きかったのです」

 政府の自粛要請により、日本人の多くが家に引きこもりがちになり、直接関係のない業界にも大きな影響が及んでいるのだ。

「学習塾は新学期前の3~4月が受け入れ期ですが、子供が外出を制限される状況では、資金繰りは当然厳しくなる。利用を避けられているスポーツジムも臨時休業を余儀なくされ、予定された収入が入ってこない。もともと経営状態の悪い企業や経営者が高齢化している企業では、廃業や倒産を選択するところも出てくるでしょう」(友田氏)

 こうした事態を受け、政府は中小企業や個人事業主を対象に、実質無利子・無担保の融資を1兆6000億円規模で実施する方向で調整している。

 しかし、この措置は、一時的な“止血”に過ぎないという。

「仮に春過ぎに新型コロナが収束し、乗り切ったとしても、それまでに受けたダメージで体力を失い、それ以降に倒産する企業は出てくる。もし収束まで長引けば、倒産の波は加速すると考えられます。

 新型コロナでは中小企業が徐々に連鎖、つまり日本経済の下部からその横へと倒産が広まる傾向になると予想されています」(友田氏)

※週刊ポスト2020年3月27日号

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