スポーツの聖地にして将棋の聖地でもある
“住む街”としてピックアップされることはほとんどありませんが、千駄ケ谷がホットな街であるのは間違いありません。東京五輪のメイン会場・新国立競技場の最寄り駅は千駄ケ谷。多くの観客を出迎えるため、現在千駄ケ谷駅は改良工事中です。このほか、東京体育館、神宮球場、秩父宮ラグビー場、明治神宮アイススケート場などがあり、日本のスポーツの聖地と言って良い街でしょう。また、日本将棋連盟本部もあり、将棋の聖地でもあります。将棋会館ではプロ棋士の対局が行われるため、トップ棋士の姿を見かけることも珍しくありません。
かつては新宿、渋谷、青山に挟まれたエアポケットのような街だった千駄ケ谷が脚光を浴びるようになったのは、2000年代に入ってからでしょうか。1990年代なかばに、原宿の裏道に次々とアパレルショップが開店して、一帯が「裏原宿」と呼ばれるようになり、その流れは千駄ケ谷方面にも進行。副都心線の開通で、北参道駅近辺がにわかに脚光を浴びるようになり、「ダガヤサンドウ(千駄ケ谷+表参道)」という呼称も生まれました。
原宿、表参道、青山、新宿はいずれも徒歩圏内ですし、六本木まで大江戸線で2駅、渋谷まで副都心線で2駅。赤坂、銀座、大手町なども、乗り換え時間込みで15分程度なので、通勤も遊びも、移動のストレスはほとんどおありません。買い物に関しては、やや心許ない面もあり、かつてはスーパーがないのが大きなネックでしたが、2014年にオーケーストアが開店して、その問題もいくらか解消されました。
となると問題は家賃相場で、ワンルーム・1K・1DKで11.34万円(ライフホームズ調べ。3月12日時点)と、かなりハイグレードです。しかも人気エリアなので、築年数が古かったり、駅から遠い物件を選んだりしても、家賃はほとんど削れません。1人で住むのが難しければ、友人やパートナーと共同で住むという選択肢もあるかもしれません。ちょっと無理をしてでも、住んでみたい街だと思います。