良質なのに低価格──いまや「ユニクロ(UNIQLO)」はファストファッションの代表格としての地位を確実なものにしている印象だ。近年は、ハイブランドとのコラボレーションや高品質・高機能製品の販売で、幅広い世代から支持を集めるようになっている。
その一方で、「ユニクロよりもさらに安く、でもオシャレに見せたい」という層のニーズを掴んでいるのが、ユニクロと同じくファーストリテイリング傘下の低価格帯ブランド「GU(ジーユー)」だ。
ファーストリテイリングの今期(2020年8月期)第1四半期のGU事業は、売上収益729 億円(前年同期比 11.4%増)、営業利益123 億円(同44.4 %増)と大幅な増収増益となっている。女性向けケーブルデザインのカーディガンやニットチュニックなどが好調で大きく売り上げを伸ばした。
流行とコストに敏感な女性たちの支持を集めているのはもちろんだが、その一方で、若い男性たちのあいだでもGUは注目を集めつつあるという。私立大学に通う男子学生・Aさん(19歳)が語る。
「奨学金で大学に通い、アルバイトと仕送りでどうにか生活しています。ファッションにはあまりお金をかけられないので、できるだけプチプラ(プチプライス=低価格)でおしゃれに見せたい。そんな僕みたいな貧乏学生たちのマストアイテムが、ユニクロよりも低価格なGUです。
最近は、インスタグラマーのなかでも『#全身GU』というハッシュタグが流行っていて、女子だけでなく男のインスタグラマーもこのハッシュタグを使っています。自分もGUに行くときには必ずハッシュタグでメンズの投稿をチェックしてから、それを参考にしています。財布の強い味方ですね」(Aさん)
別の私立大学に通う男子学生Bさん(21歳)も、GU愛好家のひとりだ。