敷金や礼金が発生せず、冷蔵庫・テレビ・ベッドなど生活に最低限必要な家具や家電も備え付けられているマンスリーマンション。初期費用を抑えることが出来る分、毎月の家賃は、通常の賃貸物件と比べて割高であることが多い。それでも賃貸ではなく、あえてマンスリーマンションを選択した人たちに、その理由や生活の実態を聞いた。
1年限定ならトータル出費は賃貸とさほど変わらない
都内のIT企業で契約社員として働く30代の女性・Aさんは、賃貸でなくマンスリーマンションを選んだ一人。都内近郊で実家暮らしをしていたが、同居する姉に子供が生まれ、自分の居場所がなくなってきたため、一人暮らしを決意した。
「実家を離れたことがなかったため、まずは『一人暮らしはどんなものか』を経験しつつ、週末は実家に帰りたいという考えから、賃貸ではなく1年間限定のマンスリーでの生活を選択しました」(Aさん)
Aさんが選んだのは、都心にある水道光熱費込みで月19万円の1K物件。賃貸の場合、周辺相場は12万円で、光熱費込みで毎月14万円ほどだ。単純な家賃だけなら月々5万円ほど高くなるが、特に“割高”とは感じていない。
「この近辺で賃貸入居する場合、敷金や礼金など契約の初期費用で40万~50万円ぐらいかかる上に、引っ越し5万円、家具や家電一式で30万円など、初期費用だけで80万円ぐらいかかります。一方、マンスリーだと、清掃代などといった家賃以外の初期費用は30万円ほどで、家電や家具もついてきます。正直、1年限定で住むことを考えると、かかる費用は賃貸もマンスリーもあまり変わらない印象です。その他、とにかく物を持ちたくない人や、単身赴任の人などにも利用価値があるのではないでしょうか」(Aさん)