新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、学校が休校となった子供たちはそのまま春休みに突入し、未経験の退屈な時間を過ごしている。そうした中で、神奈川県に住むKさん(40代男性)は、息子にある課題に挑ませたことで、その成長を実感することができたという。
食品メーカーに勤めるKさんは妻、中学2年生の息子との3人家族。今回のコロナ騒動では、会社が速やかに在宅勤務を推奨したため、自宅で仕事をすることになったが、気の毒なのは息子だった。Kさんはいう。
「会社からは在宅勤務命令が出ましたが、我が家は3人家族で2LDKのマンションに住んでおり、パソコンもテレビもリビング以外では見られません。私が仕事でリビングを占拠しているため、やることがない息子は1日じゅうスマホを見ており、『スマホばかり見るんじゃない』『だってテレビもパソコンも見られないし』といったやり取りが親子の間で何度も繰り返されました」(Kさん。以下同)
テレワークは一見優雅だが、家族が犠牲になる場合もある。そんな折、息子が学校から自由研究の課題を与えられた。テーマは一切自由。悩む息子を見て、Kさんは閃いた。
「息子は現在反抗期で、会話もあまりありませんが、私も息子も大のラーメン好き。ラーメン関係の本を親子で回し読みし、週末に一緒に有名ラーメン店に行くのが、数少ないコミュニケーション手段になっていました。その時点ではまだ、外出自粛の要請がそこまで強くなかったこともあり、息子に『1人でラーメン屋巡りをして、それを自由研究にしてみれば?』と提案したのです」
Kさんの息子は、これまで1人で遠くまで出歩いたり、外食をしたりした経験は無い。息子は一瞬戸惑いを見せたが、好きなラーメンを思う存分に食べられる魅力には抗えなかったようで、「やってみる」と言ったという。