「コロナショック」の影響により、仕事を持つすべての人が減収や倒産、雇い止めなどに直面する懸念がある。だからこそ、生活基盤が崩れた際に、助けとなる制度を知っておくことは大切だ。
たとえば、3月25日から開始された「個人向け緊急小口資金等の特例」による2つの貸付というものがある。休業によって一時的な資金が必要な場合、10万~20万円の緊急小口資金を借りられるのだ。
「休業などにより収入が減少し、緊急かつ一時的な資金が必要な方向けの無利子の特例貸付です。雇用の形態や働き方に限らず相談を受け付けます」(厚労省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室)
さらに、失業などにより1回の貸付だけでは生活の維持が困難な場合、3か月にわたって総合支援資金を借りられる。
「2人以上の世帯の場合、月20万円以内が原則で、最大60万円となり、緊急小口資金と合わせて80万円の貸付が受けられます」(同前)
今回の緊急対策以外にも、失業や休業で活用できる制度はある。健康保険や労災保険、雇用保険などの社会保険も困った時に頼れる存在である。
失業して新たな仕事を探す際には雇用保険加入者が対象の失業保険(基本手当)がある。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が説明する。
「64歳以下で、倒産など会社都合による退職の場合は3月の給付制限期間なく受け取れます。退職前6か月の月給から1日当たりの基本手当が算出され、給付日数は年齢や雇用保険加入期間によって異なります。20年勤めた会社が60歳で倒産し、退職時の月給が30万円だった場合、日額約5000円で240日間(約8か月)の計約120万円がもらえます」