医療や健康にまつわる情報をインターネットで探す人は多い。だが、インターネット上の医療情報は玉石混淆。情報を精査することが必要だ。それでも、ふだんなら「見るからに怪しい」と一蹴する情報でも、病気や体調不良のときは、ガードがつい緩む。ひっかかりやすいものにはどんなパターンがあるか探った。
【ケース1】有名人がオススメしている
「女優の○○さんや歌手の○○さんが愛用しています」などと有名人を広告塔にしているものがあるが、彼らの名前が出ているからといって安心できるわけではない、と内科医の名取宏さんは指摘する。
「最近だと、『血液クレンジング』がそうしたケースにあたります。有名人が続々とクリニックで治療を受け、その様子をブログやSNSでアップして話題となりましたが、あれは昔から行われている代替療法であって、医学的根拠は認められていません。それにもかかわらず、有名人がやっているから効果があるんだというイメージが先行しました。その後、次々と医療関係者から『信じるのは危険だ』という指摘が噴出しました。医学的根拠に乏しいのに、有名人を使って安心感を与えようという手は昔からよくあります」
また個人的な意見のように見えて、実は宣伝だったというケースもある。
「企業が有名人に頼んで、ブログやSNSに書いてもらうステルスマーケティング(ステマ)の可能性もあります」(名取さん)
芸能人に限らず、医療従事者による情報にもその可能性はあるという。