インターネットは情報の宝庫。だが、誤った情報も多く、その内容は玉石混淆。正しい情報が知りたいだけなのに、PRとは気づかせずに、知らず知らずのうちに商品販売サイトに誘導するようなケースも少なくない。
そうしたサイトでは、ユーザーを信じ込ませるための巧妙なトリックが使われている。たとえば、グラフを見てほしい。カラーテレビの普及率と日本人女性の平均寿命を相関させたグラフだ。
「グラフからもわかるように、日本人女性の平均寿命の伸び方とカラーテレビの普及の仕方はともに右肩上がりで、同様な曲線を描いております。このことから、カラーテレビから得た情報が女性の生活を大きく変え、寿命を延伸させたことがおわかりいただけると思います」
…いかにももっともらしい説明に見えるが、そこに根拠はない。似たような曲線を描いていれば、洗濯機であろうが、カーテンでも言い換えはきく。こうしたトリックは「疑似相関」と称され、詐欺で多用されることも多いのだ。
人が誤った情報に惑わされやすい心理パターンを知って、どんな情報も精査するよう心がけよう。
■監修/島根大学医学部附属病院臨床研究センター・センター長の大野智さん
※女性セブン2020年4月16日号