新型コロナウイルスの感染拡大とともに店頭からマスクが消え、トイレットペーパーやカップ麺、レトルト食品なども、買い込みの対象になった。今後さらに外出自粛が続けば、日用品不足もますます深刻な問題となり得る。
「こうしたパンデミックは、いつ発生してもおかしくない」と、防災アドバイザーの高荷智也さんは言う。パンデミックとは、感染症(伝染病)の世界的な大流行のことだ。
「2009年にメキシコで発生した豚インフルエンザでは、WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言し、世界で数億人が感染しました。日本でも全国に流行が広がり、マスクの品切れも起こりました」(高荷さん・以下同)
同年、厚生労働省からは、「新型インフルエンザが発生した場合、食料品や生活必需品等の流通、物流に影響が出るため、不要不急の外出を控え最低限(2週間程度)の食料品・生活必需品等を備蓄することが望まれる(*注)」との指針がすでに示されていた。
【*注/2009年厚生労働省「新型インフルエンザ対策ガイドライン」内の「個人、家庭及び地域における新型インフルエンザ対策ガイドライン」より要約】
「この指針に沿い、どの災害がいつ起きてもおかしくないという前提で、一生にわたって備えることが必要です」
つい、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうが……。
「非常時専用の防災では長続きしません。いまこそ『ローリングストック』のように、日常の中で消費していく備蓄型の生活様式にシフトすべきです。でなければ、品不足のたびに買いだめに走る結果となります」