北海道南部に位置する福島町では3人目の出産に100万円の祝い金を出している。
「他にも、出産育児一時金に上乗せして、都内では渋谷区が10万円、港区は18万円までの給付が受け取れる。居住する市区町村の役場にきちんと確認してほしい」(同前)
また、母親が会社員の場合は加入する健康保険などから支給される出産手当金も忘れないようにしたい。出産前42日(胎児が双子以上の場合は98日)から出産後56日までの範囲で会社を休んで給与の支払いがない期間が対象となる。休んだ日数に標準報酬日額の3分の2を掛けた額が受け取れる。
医療費の自己負担ゼロも
子供が病院にかかった場合、住んでいる自治体によっては、乳幼児・子ども医療費助成が受け取れる。東京都港区では、中学3年生までの児童が保険診療で医療機関を受診したり、調剤を受けたりした際に、自己負担分を助成してもらえる。同区では「乳幼児・子ども医療証」を発行しており、これを医療機関に提出すれば、自己負担がゼロになるのだ。
育児休業給付金は、1歳(一定の要件を満たした場合は最高2歳)に満たない子供を養育するため育児休業を取得し、その期間中の賃金が休業開始時の賃金と比べて80%未満に低下したなどの要件を満たした場合に、勤務先を通じてハローワークへ申請すると支給される。
現在、新型コロナによって保育園などが臨時休園の場合、子供が1歳を過ぎても給付が延長される暫定的な取り扱いが行なわれている。その他にも産休・育休中の社会保険料免除などの措置がある。厚生年金保険料は全額免除になる上に、保険料を納付した扱いとなるから、将来の年金額も減らない。
子育て中の世帯はもちろんのこと、幼い孫がいる定年後世代も制度を学んで子供に伝えれば、家族で一体となって危機に立ち向かえる。
※週刊ポスト2020年4月24日号