自宅のリフォームについては、介護のためにリフォームする場合、介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度により改修費の90%(最大18万円)が助成されるが、これ以外にも、所得税の税額控除が受けられるケースもあるので、表で確認してもらいたい。
一方、賃貸住宅に住む人の負担を減らす制度として各市区町村に用意されているのが民間賃貸住宅家賃補助の制度。風呂内氏が説明する。
「たとえば東京・目黒区では18歳未満の子を養育している人を対象に、世帯人数に応じた年間総所得の基準額を下回るなどの条件を満たす場合は、家賃補助として月額2万円を最長3年間にわたり給付しています」
自治体によっては、ファミリー世帯以外も対象となるケースがある。
「東京・新宿区では18~28歳の単身者に対して月額1万円を最長3年間、補助する制度がある。ただし、補助を受けられる世帯数に限りがあるため、例年4倍を超える人気で、抽選が行なわれています」(風呂内氏)
引っ越し代も補填される
子供が生まれたり、成長に伴って広い部屋が必要になり転居を考える人は少なくないが、そうしたケースのために子育て世帯の転居支援を設けている自治体もある。
「新宿区の『次世代育成転居助成』は手厚いことで知られています。引っ越し代が最大10万円に加え、転居によって家賃が上がった場合は最大で月額3万5000円を最長2年間にわたって受け取れます。多世代の同居を進めたい自治体で同種の支援策を行なっている場合があるので、ホームページなどで確認してみましょう」(同前)
自宅を買う人、改修する人、借りる人や引っ越す人にも、それぞれ活用できる制度があるということだ。いずれもまとまった額が受け取れたり、免除されたりする以上、決して見逃すことのないようにしたい。
※週刊ポスト2020年4月24日号