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「モメない遺言書」の新常識、作成時は相続人全員が集まって会議を

“争続”を避けるための「相続の新ルール6」

“争続”を避けるための「相続の新ルール6」

 民法改正で昨年から1年以上かけて、40年ぶりに「相続」の制度が大きく変わっている。「特別の寄与」や「配偶者居住権」など主な改正点を表にまとめたが、とりわけ大きいのが「遺言書」に関する新ルールだ。

 遺言書は、自分で書く「自筆証書遺言」と公証役場で作成する「公正証書遺言」の2種類がある。公証人が作成し、公証役場で保管する公正証書遺言のほうが書式の不備や紛失の心配がないが、相続人や親族以外の証人を2人用意する必要があるほか、遺産額に応じて作成手数料が5000円(遺産額100万円以下)~4万3000円(同5000万円~1億円)と費用がかかり、内容の修正にも再度手数料が発生する。

 できる限り自筆証書遺言にしたいが、すべて自筆で書く必要があり財産が多岐にわたる場合の負担は小さくなかった。

 それが今回の改正で、負担が軽減された。円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏が説明する。

「従来は、遺言書とセットで作成する『財産目録』も自ら手書きで作成する必要がありましたが、パソコン作成や代筆も認められるようになりました。また、財産の詳細として、預金通帳や保険証券のコピー、不動産なら登記事項証明書などを添付してもよくなりました。作成した財産目録のすべてのページに自筆の署名と押印が必要ですが、以前よりかなり手軽になりました」

 財産目録を作る際は、預貯金なら銀行・支店名や口座番号まで書き込み、借金など“負の遺産”も包み隠さず記して、できるだけ詳細にしておく。

 不動産は地番や地目、構造などを遺言書に記入する必要があるので登記簿を用意する。その際名義も必ず確認する。共有名義だと相続の手続きに手間がかかるため、単独名義に変更しておくと、トラブル防止につながる。

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