年初から2月半ばまで、ほぼ2万3000円台で推移していた日経平均株価は、コロナ・ショックで歴史的な大暴落となり、3月19日には終値1万6552円まで大きく下落した。その後1万9000円台まで戻してはいるが、いまだ低水準だ。
そんなタイミングで投資に手を出すのは愚策中の愚策―と思いきやマーケットバンク代表の岡山憲史氏は「長期的に見れば、今の時期は株投資で資産増を目指す上ではチャンスだと考えられる」と指摘する。
「しばらくは株価の乱高下があるかもしれません。ただ、過去の経済危機の時も、時間をかけて株価は持ち直した。1987年のブラックマンデーでは、米ダウ平均が1日で20%以上暴落しましたが、1年9か月かけて元の株価に戻しています」(同前)
もちろん、その期間はケースバイケースだ。日経平均では、2011年の東日本大震災後は急落前の株価水準に戻すまでに2年、2008年のリーマン・ショックでは5年を要した。
今回もワクチン・治療薬の開発や各国の経済対策の効果次第で、株価回復までの時間は変わるだろう。
ただ、どれだけ時間がかかるにせよ、重要なのは「全面安の展開が続いたことで、強い競争力を持つ優良企業の株が割安となっていること」だとケイ・アセット代表でマーケットアナリストの平野憲一氏は強調する。短期間で大きな利益を目指す“博奕”でないならば、お買い得な銘柄が増えているということだ。
「とりわけ、老後資金のための長期的な資産形成を図る目的であれば、配当利回りに着目したい。急落によって、配当利回りが4%を超える銘柄が数多くある。株価が戻せると考えられる優良企業の株であれば、安定した配当収入を効率よく確保するチャンスだと捉えることができます」(平野氏)